大学時代の恩師、I先生から連絡があった。全く新しい原理で動作する電子顕微鏡の開発を手伝わないか、という。
それは面白いですね、是非手伝わせてください。
私は快く応え先生の元へ出向いたのだが、詳しく話を聞いてみると仕事の内容は車で必要な機材を運ぶというものだった。
少々落胆する気持ちはあったものの、まあそれもまた良しかな、と思いその話を受けることにした。
帰宅して部屋の中心に置かれた卓に腰掛け一息ついていると、押し入れの中身が気になり始めた。
そうだ、先日一日掛けてつくった数々の料理を数十個の弁当箱に小分け、押し入れに積み重ねていたのだった。
不安感は次第に膨らんでいく。腐ってしまわないだろうか、と。
(2012.06.18 夜)